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【IT×他業種インタビュー】第2回:ガラス工事業・金属製建具工事業 有限会社岡本アルミガラス 代表 吉野茂樹様

こんにちは。Beta Computing株式会社の吉村です。
今回は、皆様がどのような業務をこなし、どういった課題に直面し、どんな対策や取り組みを行っているのか直接お伺いして取材させていただく企画の第2回目です!

IT×建設業インタビュー

第2回目として取材させていただきましたのは、窓や玄関に関する工事・販売を津幡町・かほく市で提供されている 有限会社岡本アルミガラス 代表の吉野茂樹さんです。
よろしくお願いします!



商圏を津幡・かほくに絞り、高品質のサービスと充実したアフターサポートを提供する

──事業内容を教えて下さい

吉野さん:
メイン事業は、家の玄関・勝手口・窓など「開口部」となる箇所の販売(大工、工務店など)や工事を手掛けています。
低価格で高品質、窓ガラス交換早急に対応、地元業者ならではの柔軟な対応力、という強みを活かしてサービスを提供しています。

──地元ならではの強みとは具体的にどういったものですか?

吉野さん:
現在は広範囲でサービスを販売するお店も多くあります。
商圏は広がりますが、その反面アフターサポートがやりづらく、すぐに動くことが難しくなります。
岡本アルミガラスは商圏を津幡・かほくに絞ってサービスを提供しています。
ガラスが割れた場合や戸締まり周りの工事・修理は急ぎで必要とされることが多いので、すぐに動けるような体制を維持しています。

昔から繋がりのある会社さんや地域住民、チラシやネットで知ったお客様や口コミで知った方々などからご依頼をいただいております。

──創業から50年以上経っていますが、当初から地元を中心に?

吉野さん:
創業当初は大工さんがお客様で、サッシを販売していました。
大工さん、工務店などの卸しをもともとメイン事業でやっており、それが徐々に一般消費者である個人のお客様と直接つながるようになってきました。
現在では、個人と企業5:5の売上金額になっています。
件数で言えば、個人の方が多いです。

──現在はどれくらいのご依頼があるのでしょうか?

吉野さん:
ガラスの交換や鍵の交換など、足が速く単価が安いものも含めると年間顧客は元請け下請け含めて700件ほどありますが、弊社は従業員2名と現場2名、事務員のメンバーで対応しています。

──年間700件以上の件数をなぜ少人数で対応可能なのでしょうか?

吉野さん:
地元のお客様がほとんどのため移動時間が短く、1日に数件対応することができます。
作業時間も短いもので数時間、長いものでも1日で終わります。

地元を中心に展開することで、少人数の体制でも年間700件の依頼を受けることができます。
商圏を広げることを考えることもあるのですが、現在のサービスとアフターサポートの品質維持が難しくなります。
また、大手や中小のライバル店が多くなり、値段ばかり見られてしまいます。
営業範囲も拡大する必要があり広告費もかかるので、商圏拡大にあまりメリットが感じられません。

小さな依頼でも丁寧に対応する。大手にはできない

──現場の基本的な業務の流れを教えて下さい

吉野さん:
例えば玄関窓の取替えだと、
①お客様からご依頼を受注し見積もりを提出します
②見積り金額をご検討いただき、ご注文を受けます
③現場を確認し、対象物のサイズを測ります
④メーカーへの商材の手配が必要であれば発注します
⑤入荷日確認後、お客様のご都合を確認し、工事日を決定します
⑥工事完了後、お客様へ請求書を提出します
⑦入金確認
といった流れです。
基本的に1日で工事が終わることがほとんどになります。

他の大手では営業ノルマがあり、基本的に大きな数を売りたいと思っています。
そのため、窓1箇所の対応などは引き受けて貰えないこともあります。
ですが、お客様にとっては1箇所も数箇所もあまり関係ありません。
私たちはむしろ、まずは1箇所試してほしいと思っています。
そして、さらなる注文や、何かあったときにまたご依頼していただければ良いと思っています。

様々な家があり、家によって作りが違うため対応が難しいものもありますが、年間700件以上の対応をやってきて、家によって最適な対応が感覚でわかるようになってきました。
1箇所の対応でもご依頼いただければと思っています。

──業務の中で課題はありますか?

吉野さん:
見積もりや経理などの事務処理が大変です。
人件費がかからないように全て1人で対応しています。

──ITを活用されていますか?

吉野さん:
メーカーのシステムで、請求書や領収書を書式で出すものを利用しています。
YKK APのシステムで、YKK APが展開するMADOショップ事業の一環です。
これまではPCで請求書などの書類を作成していましたが、顧客管理はできていませんでした。
システムを入れてからはどのようなものが売れているか、粗利や各項目の割合、仕入れに関する情報など、細かく管理できるようになりました。
年間顧客件数など見れるので、顧客解析も可能です。

また、MADOショップの運営サイトに津幡中須加店としてホームページを公開しています。
ホームページ、書類、顧客管理などすべてYKK APのシステムを利用して作業することができます。
MADOショップとしての費用も少しかかりますが、DMの発行もできますし、大きなメリットを感じています。

──御社にお伺いしたときMADOショップのことが気になっていました

吉野さん:
一般消費者向けに販売するための窓口がMADOショップです。
MADOショップは「ニッポンの窓をよくしたい」という理念のもと、YKK APとパートナーシップを結び、全国で活動する窓リフォームのお店です。
YKK APから「MADOショップのお店をしませんか?」と声をかけていただいて参画しています。



最適な宣伝方法を検討しているが、答えは出ていない

──業務の中でITを活用されているものはありますか?

吉野さん:
業務連絡やお客様とのやりとりなどコミュニケーションは電話がメインですが、人によってはLINEを利用する方もいます。

──IT活用に興味や関心はございますか?

吉野さん:
ITは重要視していかないといけないと思っています。
現在は年配のお客様が多いので、年に4回くらいほど折込チラシを出しています。
ただ、新聞を取らない人も増えてきていますので、今後チラシの効果が減っていくでしょう。
広告宣伝費の使い方や方向性を改めて検討する必要性があると思っています。

ただ、一般消費者に向けての最適な宣伝方法は現時点ではわかっていません。
MADOショップのページでも工事・修理事例に費用を記載していないお店がありますが、消費者の方の参考にしてもらえるように、弊社は金額を載せています。

──お客様の年代や性別などターゲット層はどのような種類ですか?

吉野さん:
家を立てて20年以上経つ一般の方がメインターゲットです。
おおよそ20年経過頃から玄関や窓に不都合が出始めます。
仮に30代で家建てたとしたら、50〜60代の方々です。
ただ、中古住宅を購入した方もいらっしゃるので、その限りではありません。

また、外壁は10年くらいで寿命がくるものがあるので、そういった周期の方々に目に留まるよう広告を打つようにしています。

──同業者とのつながりはありますか?

吉野さん:
津幡町商工会を中心に、地元の大工さん、瓦屋さん、水道管屋さんなどとのつながりがあります。
例えば住宅のお仕事では、1つの業者様が請負し、得意分野のお仕事をそれぞれ担当するよう紹介したりします。

サッシの同業者でいうと、ガラス組合というものがあり、MADOショップというくくりでも県内でも9社ほどつながりがあります。
親子で経営していたり家族でやっている会社が多く、繁忙期などは近隣のサッシ屋さんに応援依頼することもあります。
横の連携は取れていると感じています。

昔から連携はありますが、最近は若手世代が横のつながりを大事にしています。
逆に、親世代の方が周りをライバル視しているイメージです。

また、残念ながら廃業も増えています。
跡継ぎがおらず、親世代でやめる人たちも多いです。
現在では、津幡やかほく市周辺だと3~4社になると思います。

──コロナや戦争の影響はありますか?

吉野さん:
コロナ渦で、お客さんの購買意欲が下がりました。
また、家に直接お伺いすることができなくなってしまったので、工事キャンセルが相次ぎました。
そのため、売上が1000万円ほど落ちることもありました。

昨年は換気需要で網戸などの受注が増えていたのですが、戦争の影響によりまた購買意欲が下がってしまいました。
現状、チラシを出してもこれまでより反響が薄いです。
以前よりお客様の財布の紐が硬いと感じます。

──建築の建材などの材料費が高騰していると聞きます

吉野さん:
原価がすごく上がりました。ガラスは燃料高騰で戦争以前より2〜4割値段が上がっています。
具体的には、6000円の原価ガラスが9000円になりました。

──費用も変わっている?

吉野さん:
やはり見積り作成時点で、これまでより2割~4割価格が上がっています。
原価の高騰により、定価表記も上がっています。
そのため、お客さんの負担が増えていくのが心苦しいですが、仕方がない部分もあります。

──最後に、読者の方へのメッセージをお願いします

吉野さん:
弊社の職人はプロフェッショナルです。
直ぐに、丁寧に、迅速にご対応することを心がけています。

お客様の満足を第1に考えております。
良い職人さんがきれいに仕上げることで、お客様に喜んでもらえることがやりがいです。
事務、経理、現場の職人含め全員で努力しております。

玄関・窓でお困りの際はぜひお声がけください。


──以上になります。ありがとうございました。

吉野さん:
ありがとうございました。

有限会社岡本アルミガラス様 連絡先

〒929-0332 石川県河北郡津幡町中須加ろ27-2
有限会社岡本アルミガラス
代表 吉野 茂樹
http://okamotoarumi.com/

日本標準産業分類

大分類:建設業
中分類:職別工事業
小分類:ガラス工事業、金属製建具工事業



おわりに

今回は、津幡町にある岡本アルミガラス様に取材させていただきました。
実は、弊社メンバーの1人が岡本アルミガラス様に2重窓の取り付けを依頼したことがきっかけで取材に至りました。

窓の取り付けを数社に見積りしたところ、岡本アルミガラス様の価格が1番納得できたそうです。
また、取り付け場所の確認において、作業や説明が丁寧だったことが依頼の決め手に。
実際の取り付けもきれいで手際良くすぐに終わったようで、大変満足しているとのことです。
取材を通して、地元のお客様を第1に考えていることをとても実感することができました。

吉野さん、この度はお忙しいところインタビューを快くお引き受け下さり、本当にありがとうございました!

本内容が少しでも皆様のご参考になりましたら幸いです。
今後も他業種インタビューを更新していければと思いますので、次回をお楽しみに!